ドレージ(ドレー)とは?料金・重量制限・車種の違いを完全網羅
貿易実務において、港と納品先(または出荷元)を繋ぐラストワンマイルの要となるのが「ドレージ(Drayage)」です。現場では単に「ドレー」とも呼ばれ、海上コンテナをそのまま陸送する唯一の手段です。
しかし、このドレージ輸送は、一般的なトラック配送とは全く異なる「独自のルール」で動いています。
「なぜ往復料金がかかるのか?」「なぜ重い荷物は追加料金なのか?」「台切(だいきり)とは何か?」
これらの疑問を解消し、適切なコスト管理とトラブル回避を行うために、実務担当者が知っておくべき必須知識を徹底的に解説します。
この記事の目次
1. ドレージ(ドレー)とは?基本知識と利用シーン
ドレージ(Drayage)とは、港のコンテナヤード(CY)から、荷主の指定する場所(倉庫や工場)までの、比較的短い距離の陸上輸送のことを指します。
最大の特徴は、「コンテナを開封せず、そのまま車両に載せて運ぶ」という点です。
なぜドレージが必要なのか?メリット解説
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COST
デバンニング費用が不要: 港でコンテナから貨物を取り出してトラックに積み替える作業(デバンニング)が不要なため、人件費と倉庫費用を大幅に削減できます。
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SAFETY
貨物ダメージの低減: 輸出地でバンニング(積み込み)されてから、納品先で開封されるまで誰の手も触れないため、盗難や破損のリスクが最小限です。
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SPEED
リードタイムの短縮: 輸入許可が下りれば、すぐにゲートを通過して配送に出発できるため、緊急貨物にも適しています。
2. 一般トラックとの決定的な違い「ヘッドとシャーシ」
ドレージ車(トレーラー)は、運転席のある「ヘッド(トラクター)」と、コンテナを載せる台座部分である「シャーシ」が分離できる構造になっています。
これにより、ドレージならではの特殊な運用が可能になります。
ヘッド(Head)
エンジンと運転席がある前の部分。「トラクター」とも呼ばれます。このヘッド部分だけを付け替えることで、様々な種類のシャーシを牽引することができます。
シャーシ(Chassis)
コンテナを載せて走る車輪付きの台車。20フィート用、40フィート用があり、さらに積載重量によって「2軸」「3軸」と種類が分かれます。
現場の効率を変える「台切(だいきり)」とは?
一般トラックは荷下ろし中、ドライバーは待機しなければなりませんが、ドレージは「コンテナを載せたシャーシだけを現場に置いて、ヘッドは帰る」ことができます。これを「台切(だいきり)」と呼びます。
荷主は時間を気にせず作業ができ、ドライバーは次の仕事に向かえるため、双方にメリットがある運用です。ただし、シャーシを数日間借りることになるため、別途料金がかかる場合があります。
3. 実は厳しい!ドレージの「重量制限」と「3軸シャーシ」
ドレージ手配で最もトラブルになりやすいのが「重量制限」です。道路交通法により、走行できる車両の重さは厳密に決められています。
「コンテナに入るから」といって満載にすると、日本の道路を走れない(法律違反になる)可能性があります。
| 種類 | 20フィート最大積載 | 40フィート最大積載 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 2軸シャーシ (通常タイプ) |
約 20〜24トン | 約 24トン | 標準的なシャーシ。軽量〜中量貨物向け。 |
| 3軸シャーシ (重量物用) |
設定なし | 約 30.48トン (貨物+コンテナ重量) |
車輪が3列あり、重量を分散させることで重い貨物を運べる。保有台数が少なく、追加料金がかかる。 |
| MGシャーシ (電源付き) |
各サイズあり | 発電機(Motor Generator)を搭載し、リーファー(冷蔵・冷凍)コンテナの温度を保ちながら輸送できる。 | |
※積載可能重量は、ヘッドのスペックやシャーシのモデルにより異なります。
4. 複雑な「ドレージ料金」の計算方法とシミュレーション
ドレージ料金は「ラウンド制(往復料金)」が基本です。
コンテナを港から運び出し、荷下ろしをして、空になったコンテナを再び港へ返却するまでが1セットの業務だからです。「帰りは空だから片道料金にして」という交渉は基本的に通りません。
料金シミュレーション例
※金額はあくまで一例です。時期や燃料サーチャージ等により変動します。
知っておくべき追加費用キーワード
- 待機料: 指定時間(通常1〜2時間)を超えてドライバーを待たせた場合に発生。
- キャンセル料: 前日午後以降のキャンセルは、運賃の100%を請求されることが多い(通称「空コロ」)。
- オーバーウェイト料: 重量制限を超過した場合のペナルティや許可申請費用。
- 早出・残業料: 早朝配送や深夜作業を指定した場合の割増料金。
5. 慢性的な「ドライバー不足」とドレージ手配難の現状
2024年4月の法改正(いわゆる物流2024年問題)から数年が経過した現在も、ドレージ輸送の現場では深刻なドライバー不足が続いています。
労働環境の改善は進みましたが、一方で「1人のドライバーが1日に走れる距離・時間」の総量が減ったことで、輸送キャパシティの不足が常態化しています。
現在も続く課題
- 長距離輸送の減少: 関東〜関西間などの長距離ドレーを受けてくれる業者が激減し、鉄道や内航船へのモーダルシフトが必須となっている。
- 待機時間への厳しい対応: 荷下ろし現場での長時間待機は、即座に「追加料金請求」や「今後の取引停止」に繋がるリスクが高まっている。
- 車両確保の難易度増: 「明日の配送」のような急な依頼はほぼ断られる状況が定着。計画的な手配が不可欠に。
現在の荷主に求められる対策
- 「台切」の標準化: ドライバーの拘束時間を減らす「台切」運用を前提とした倉庫体制を整える。
- 余裕を持ったスケジュール: 従来よりも数日早いブッキングと配送指示を徹底する。
- パートナーの分散: 1社頼みではなく、複数のフォワーダー・ドレージ会社と繋がりを持っておく(LogiMeetsの活用)。
まとめ:安定したドレージ確保が貿易の生命線
港に着いた貨物を、お客様の手元まで届ける最後のバトン、それがドレージです。
どんなにいい商品を安く仕入れても、この国内配送でつまづけば、納期遅延やコスト増大で全てが台無しになりかねません。
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