「貨物は何CBMですか?」と聞かれたら、梱包後の長さ・幅・高さと個数から容積を求めます。CBMは体積の単位で、重量の単位ではありません。ただし、輸送料金の計算では容積を重量に換算して使うことがあります。
例えば60×40×50cmの箱が10個なら、合計は1.2CBMです。ここまでは輸送手段によらず同じですが、この容積を運賃計算に使う方法は海上混載と航空輸送で異なります。
計算は3段階で進めます。
① 梱包後の外寸と個数からCBMを求める。
② 輸送サービスの基準に合わせて重量と比較する。
③ 最低課金数量・端数処理を確認して見積もりの数量と照合する。
1. CBMとは?基本の計算式
CBMはCubic Meterの略で、1CBMは1m³(立方メートル)です。縦・横・高さがそれぞれ1mの立方体が1CBMになります。同じ大きさの箱が複数ある場合は、1箱の容積に個数を掛けます。
容積(CBM)=長さ(m)×幅(m)×高さ(m)×個数
cmで測った場合:容積(CBM)=長さ(cm)×幅(cm)×高さ(cm)×個数 ÷ 1,000,000
寸法は商品そのものではなく、段ボール・木箱・パレットなどを含めた輸送時の外寸を使います。サイズが異なる荷物は、同じ寸法のグループごとに計算してから合計してください。
見積もり依頼時のCBMは、フォームで自動計算できます。ロジミーツでは、貨物ごとの寸法・個数を入力すると合計容積が求められます。この記事の計算例は、計算の仕組みや見積書の数量を確認するときに役立ててください。無料の見積依頼フォームへ
mmで測った寸法を使う場合は、3辺の積を1,000,000,000で割ります。例えば600×400×500mmは0.12CBMです。1辺だけcm、ほかの辺はmmという混在を避け、最初に単位を揃えると計算ミスを防げます。
2. カートン・パレットの計算例
| 荷姿 | 外寸・個数 | 計算 | 容積 |
|---|---|---|---|
| カートンA | 60×40×50cm、10箱 | 0.6×0.4×0.5×10 | 1.2CBM |
| カートンB | 50×40×40cm、5箱 | 0.5×0.4×0.4×5 | 0.4CBM |
| AとBの合計 | 15箱 | 1.2+0.4 | 1.6CBM |
| パレット貨物 | 110×110×120cm、2枚 高さはパレット込み | 1.1×1.1×1.2×2 | 2.904CBM |
パレット積みで引き渡す場合、箱だけを足した容積と、パレット全体の外寸から求めた容積は異なります。荷物のはみ出し、ラップ、保護材も確認し、引き渡す状態で測りましょう。パレットの内側に載っている箱の容積を重ねて加算する必要はありません。
積み重ね不可の貨物や不規則な形の貨物は、単純な外寸計算とは別の課金条件になることがあります。「段積み不可」「上部に突起あり」などの条件も事前に伝えましょう。
3. 海上輸送のレベニュートン(R/T)とは?
海上混載輸送(LCL)では、容積と総重量のうち、運賃計算上大きくなる方を採るW/M(Weight or Measurement)がよく使われます。1m³と1,000kgをそれぞれ1単位として比較する条件なら、次のように求めます。
R/T = 容積(CBM)と総重量(kg)÷1,000の、大きい方
例えば容積2.4CBM・総重量800kgなら、2.4と0.8を比較して2.4R/Tです。容積0.8CBM・総重量1,500kgなら、0.8と1.5を比較して1.5R/Tになります。梱包材を含む総重量(Gross Weight)で確認してください。
「最低課金」によって請求数量が変わる場合
仮に容積0.4CBM・総重量100kgなら、比較結果は0.4R/Tです。しかし「最低1R/T」の費目では、課金数量は1R/Tになります。容積を半分にしても最低数量を下回ったままなら、その費目の料金は下がりません。
説明用に単価8,000円/R/Tとすると、2.4R/Tなら19,200円、最低1R/Tが適用される0.4R/Tの貨物なら8,000円です。この単価・最低数量は仮定で、実勢相場ではありません。書類費など1件単位の費用もあるため、すべての費目を同じ数量で掛け算しないようにしましょう。
見積書ではR/T、RT、F/Tなどの表記を見かけますが、換算基準や対象費目を必ず確認しましょう。FCLは主にコンテナ単位で運賃を設定するため、同じ式をそのまま適用しません。詳しくはLCLとFCLの比較をご覧ください。
4. 航空貨物・クーリエの容積重量
航空輸送では、貨物が占める容積をkgに換算した「容積重量」と実重量を比較します。一般的な航空貨物の計算例では6,000で割る方式が使われますが、クーリエを含め、適用する係数はサービスごとに確認する必要があります。
容積重量(kg)=長さ(cm)×幅(cm)×高さ(cm)÷換算係数
60×40×50cm・実重量12kgの箱を1個送る場合、係数6,000なら容積重量は20kg、係数5,000なら24kgです。いずれも実重量12kgを上回るため、端数処理前の比較では容積重量が採用されます。
DHL Expressの2026年日本向けガイドでは、係数5,000を使う計算式が案内されています。「航空便なら必ず6,000」とは判断せず、複数梱包の集計方法・重量の切り上げ単位とあわせて確認しましょう。
| 計算の条件 | 容積側の計算 | 実重量との比較結果 |
|---|---|---|
| 海上混載:1m³と1,000kgを比較 | 合計1.2CBM | 1.2と0.12を比較 → 1.2R/T |
| 航空貨物:係数6,000 | 20kg×10箱=200kg | 200kgと120kgを比較 → 200kg |
| クーリエ:係数5,000を採用する場合 | 24kg×10箱=240kg | 240kgと120kgを比較 → 240kg |
上表は最低課金・端数処理・特殊な荷姿の割増を適用する前の換算例です。単位も単価も違うため、1.2R/Tと200kgという数量の大小だけでは運賃の安さを比較できません。
箱を小さくすると容積重量を下げられる場合があります。ただし、緩衝材を削りすぎると破損の原因になるため、貨物の保護を確保したうえで梱包を見直します。
5. 見積もり前のチェックリスト
- 寸法の単位(cm・m)と、各サイズの個数を記載したか。
- 梱包後の外寸、パレット込みの高さ・総重量になっているか。
- 段積み可否、天地指定、危険品などの条件を伝えたか。
- 適用する換算係数・最低課金数量・端数処理を確認したか。
- 梱包が未確定なら、概算寸法であることと確定予定日を伝えたか。
寸法・数量・重量はパッキングリストと整合させてください。依頼内容の整理には輸入見積もりガイドも役立ちます。
貨物情報の記載例
荷姿:カートン10箱(パレットなし)
1箱の梱包後外寸:長さ60×幅40×高さ50cm
1箱の総重量:12kg/10箱の総重量:120kg
合計容積:1.2CBM
段積み:不可
確認事項:適用する換算基準、最低課金数量、段積み不可の追加条件をご教示ください。
このように、算出したCBMだけでなく元の寸法も送ると、物流会社側で計算や受託条件を確認できます。実際の依頼には、品名・出荷元・納品先・希望日も添えてください。
6. よくある質問
1CBMは何kgですか?
CBMは体積なので、実際の重さは中身によって変わります。海上混載で1CBMと1,000kgを比較するのは料金計算上の換算ルールで、貨物自体が1,000kgになるわけではありません。
CBMは小数点以下を切り上げますか?
見積もり準備では計算結果を残し、元の寸法・個数も伝えます。請求上の丸め方は業者・費目によって異なるため、計算結果をそのまま伝え、見積書の数量との差を確認しましょう。
見積もりより請求時のCBMが増えたのはなぜですか?
箱単位の寸法で依頼した後にパレット化した、梱包材を追加した、引き渡し時の実測値が異なった、といった可能性があります。見積もり時と実測時の寸法・個数・荷姿を照合し、そのうえで最低数量や端数処理の違いを確認してください。
参考資料
確認日:2026年9月20日。計算例は一般的な考え方を示すもので、個別契約の料金計算を確定するものではありません。