輸入貨物の到着予定を尋ねられるたびに、船会社の情報、物流会社からのメール、倉庫との連絡を確認していませんか。Excelに日付があっても、「いつ更新された情報か」「どの作業が残っているか」が分からなければ、担当者への確認は減りません。

輸出入の進捗管理は、「現在の状況」「予定と実績」「次に誰が何をするか」を案件ごとに記録し、関係者が確認できるようにすることが基本です。ツールを変える前に、記録する項目と更新する担当者を決めると、確認や引き継ぎを進めやすくなります。

まずは社内で共有するExcelの管理表から始められます。この記事では、自社で記録・更新する内容と、予定変更時の対応を先に説明し、その後にロジミーツで情報をまとめる方法を紹介します。サービスを利用する場合も、物流会社や倉庫への確認、納品日の調整は担当者が行います。

「到着予定を更新した」だけでは、次の手配は決まりません。
「配送日の変更を誰が確認するか」「倉庫からの回答はいつまでに必要か」を、予定日と一緒に残すと、引き継ぐ人も対応を判断できます。

1. Excelの管理表に何を記録するか

輸送案件ごとに番号を付け、現在の状況、予定日、次に行う作業を記録します。例えば、社内で共有するExcelに一案件につき一行を作り、次の情報を列に分けて入力します。以下は、10月5日に到着予定の変更が分かった輸入案件の架空の記入例です。

到着予定が変わった輸入案件の記入例
管理表に記録する情報輸入案件の記入例
どの輸送案件かIMP-2026-001/仕入先B社/機械部品/上海→横浜
今どこまで進んでいるか輸送中(出港済み・入港前)
出港・到着の予定日と実際の日付出港予定:10月2日/出港実績:10月2日
到着予定:10月8日→10月10日に変更/到着実績:未到着のため空欄
倉庫への納品予定日と実際の日付納品予定:再調整中/納品実績:未納品のため空欄
次に誰が、いつまでに、何をするか担当Aが配送会社と倉庫に候補日を確認し、10月6日午前までに状況を共有する
何の回答・手配を待っているか車両と倉庫の受入枠が未確定。両方が対応できる日を確認中
いつ、誰から聞いた情報か10月5日10時に物流会社からメールで到着予定の変更連絡。担当Aが同日11時に管理表を更新

上の表は記録する内容を説明するための例です。実際のExcelでは、「到着予定」「到着実績」「次の作業」「担当」「期限」を別々の列にすると更新しやすくなります。書類の保管先や根拠となるメールの参照先も残しましょう。

例えば「輸送中」は現在の工程を示しますが、「倉庫受入日の回答待ち」は次の作業を止めている条件です。一つのステータスだけに詰め込まず、工程と保留事項を分けると対応すべきことが見えます。

2. 管理表の保管先と更新ルールを決める

Excelでも、更新担当と正式なファイルが明確で、必要な人が確認できるなら運用できます。問題が起きやすいのは、同じ案件を複数の表へ入力し、どれが最新か分からなくなったときです。

  • 担当者ごとに別ファイル:正式な管理先を決め、個人用の表を更新元にしない。
  • 日付を上書きするだけ:予定日と実績日を分け、変更理由や確認元を残す。
  • 色だけで進捗を表す:「書類確認中」「納品済み」など、文字でも意味を示す。
  • 備考欄が長文になる:次の作業・担当・期限を見つけやすく分ける。
  • メールにしか判断材料がない:関連書類や確認履歴を案件からたどれるようにする。

例えば、物流会社から変更連絡を受けた人が到着予定と確認日時を更新し、配送担当が納品予定と次の作業を更新する、と決めます。「納品済み」に変えるタイミングも、倉庫への到着連絡を確認した後など、社内で揃えておきましょう。

この方法で無理なく管理できれば、Excelを使い続けても構いません。ルールを整えても複数の表への転記や、書類・メールを探す手間が残る場合は、案件管理サービスの利用を検討します。

3. 到着予定が変わったら誰に何を確認するか

前の記入例と同じく、港への到着予定が10月8日から10月10日に変わった場合を考えます。以下は架空の対応例ですが、Excelでもサービスでも、担当者が連絡・調整する流れは共通です。

  1. 物流会社へ新しい到着予定を確認する:対象の港と変更後の日付を確認し、変更前後の予定、確認日時、連絡元を管理表に残す。
  2. 物流会社や通関担当者へ引き取りの見込みを聞く:不足書類がないか、いつ貨物を引き取れそうかを確認する。回答待ちなら、確認先と回答予定を記録する。
  3. 配送会社と倉庫へ候補日を確認する:車両と倉庫の受入枠が両方確保できる日を調整する。決まるまでは納品日を「再調整中」と記載する。
  4. 営業・在庫担当へ納品の見通しを伝える:決まった日付と未確定の事項を分けて伝え、誰にいつ連絡したかを残す。未確定の作業には、次に確認する担当と期限を付ける。

更新メモの例
港への到着予定:10月8日 → 10月10日(10月5日に物流会社へ確認)
倉庫への納品日:再調整中
次の作業:担当Aが車両手配と倉庫受入を確認し、10月6日午前までに状況を共有
社内への連絡:10月5日11時に営業へ、到着予定の変更と納品日が未確定であることを連絡済み

港への到着日が2日変わったからといって、納品日も機械的に2日ずらせるとは限りません。未確定の納品日を確定済みとして案内しないよう、予定の種類と確認状態を明記します。

4. 追跡で分かることと、担当者が確認すること

コンテナ追跡は、輸送状況や港での動きを把握する手掛かりになります。一方、貨物を引き取れるか、倉庫へいつ届けられるかは、書類・通関・車両・受入条件などの確認も必要です。

追跡画面の更新時刻と、社内で確認した予定を区別して残しましょう。更新がない場合も、貨物が動いていないとは限りません。重要な納期の判断は、物流会社へ確認した情報と合わせて行います。

追跡情報が更新されても、配送予約や倉庫の受入日は自動では変わりません。追跡で到着予定を調べ、その情報をもとに担当者が納品の手配を確認します。照会番号やETD・ETAの読み方は、コンテナ追跡の方法と到着予定変更への対応で詳しく解説しています。

輸入コンテナは、納品後の空コンテナ返却まで確認が必要になる場合があります。追加費用に関わる期限は、デマレージ・ディテンション・フリータイムの解説も参考にしてください。

5. 別の担当者が対応できる引き継ぎを残す

引き継ぎで必要なのは履歴の量だけではありません。案件を開いた人が、次の作業・担当者・期限をすぐに確認できるようにします。

  • 終わった作業と回答待ちの作業:出港済み、倉庫の受入回答待ちなど、別々に書く。
  • 次に連絡する相手と期限:会社名・窓口・質問内容・確認期限を残す。
  • 判断に使う書類やメールの場所:確定版の保管先と、日程を合意した連絡をたどれるようにする。
  • すでに伝えた内容:営業には納品日を未確定と案内済み、など相手ごとに記録する。

社内メモや採算情報まで、すべての関係者へ共有する必要はありません。相手の業務に必要な範囲を決め、閲覧・編集できる人を整理してください。書類の確定版を選ぶ運用は、貿易書類の管理方法で詳しく紹介しています。

6. ロジミーツで進捗・書類・やり取りをまとめる

Excelの行き来や、書類・メールを探す手間が残る場合は、案件管理サービスで情報をまとめる方法があります。ここでは、ロジミーツを利用する場合を紹介します。

ロジミーツでは、輸送を管理する案件の単位を「シップメント」と呼びます。シップメントごとに進捗・輸送情報・書類をまとめ、コンテナ追跡や案件チャットも利用できます。

サービスで確認・共有できること

  • 進捗と輸送情報:案件の工程や予定日、記録した進捗メモを確認する。
  • 関連書類:その案件で使う書類をまとめ、内容を確認する。
  • 追跡とやり取り:コンテナの輸送状況や、案件チャットで確認した内容をたどる。
  • 関係者への共有:社内・取引先・社外メンバーの共有範囲を整理し、必要な人が案件情報を見られるようにする。

担当者が引き続き行うこと

物流会社への問い合わせ、配送日と倉庫の受入調整、未確定事項の判断は担当者が行います。確認した内容を予定日や進捗メモなどへ記録し、次の作業・担当・期限を残します。サービスを使う場合も、誰がどの情報を更新するかを決めておきましょう。

自社だけで管理する案件にも、連携した取引企業と共同管理する案件にも利用できます。使える機能や利用上限は、料金プランで確認してください。

7. 一つの案件で試し、確認の手間を比べる

Excelを見直す場合も、サービスへ移す場合も、最初は進行中の一案件で試します。例えば「担当者に聞かなくても、納品の見通しと次の作業が分かる」ことを目標に、次の順で進めましょう。

  1. 今の確認にかかる時間を記録する:案件の状況を把握するまでの時間と、担当者へ質問した回数を控える。
  2. 案件情報を一か所に揃える:共有するExcel、またはサービス内の案件に、予定・実績・次の作業・担当・期限を記録し、関連書類をたどれるようにする。
  3. 変更があったときに更新する:到着予定の変更などがあれば、決めた担当者が日付だけでなく、残っている作業も更新する。
  4. 別の担当者に状況を説明してもらう:記録を見て、納品日が確定しているか、次に誰が何をするかを読み取れるか試す。
  5. 負担が減ったら他の案件にも広げる:確認時間や質問回数と、入力・更新にかかる手間を比べ、記録する内容を調整してから対象を増やす。

サービスへ移す場合は、Excelの運用を整えた段階とも比べると、サービスを追加する効果を判断しやすくなります。移行時は正式な更新先を決め、旧管理表との二重入力をいつ終えるかも決めておきましょう。

導入対象の選び方や費用対効果の考え方は、中小企業向け貿易DXガイドで紹介しています。

8. よくある質問

Excelのままでも改善できますか?

正式な保管先と更新担当を決め、予定・実績・次の作業を分けて記録するところから改善できます。関係者が必要な情報を確認でき、更新も無理なく続くなら、その運用を活かせます。転記や書類探し、社外共有の手間が残る場合にサービスを検討しましょう。

進捗は毎日更新する必要がありますか?

輸送や納期の重要度に応じて確認頻度を決めます。そのうえで、予定変更や工程完了など、情報が変わったときの更新担当を明確にしてください。変化がない場合も、最終確認日が分かると判断しやすくなります。

フォワーダーに管理を任せていても、社内管理は必要ですか?

物流会社が把握する輸送情報と、自社の販売・在庫・倉庫受入の判断に必要な情報は範囲が異なります。社内で必要な納品予定や対応事項を整理し、物流会社から確認した内容と結び付けて管理しましょう。

ロジミーツは既存の取引先との案件でも使えますか?

ロジミーツのシップメント管理は、自社だけでの管理にも、連携した取引企業との共同管理にも利用できます。運営会社の株式会社テクイットは物流事業を行っていないため、複数の物流会社と取引している場合も、特定の物流会社に偏らずに案件や書類を共有できます。社外と共有する場合は、相手の利用方法と共有範囲を確認して進めてください。